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パウダー職人のつぶやき
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焼付塗装の分野では塗装後の乾燥は専用の焼付乾燥窯で行います。 塗料によってその焼き付け温度と焼き付け時間が異なります。 メーカーが出しているこの条件はとっても重要なのですが、一般的にみると意外と軽視されている場合が多いんです。 メーカーが色々な実験データーをもとに推奨している焼き付け方法はそれなりの理由があるのです。 
焼き付け塗装の乾燥は、通常は雰囲気温度ではなく物体温度で示しているものがほとんどです。雰囲気温度とは焼付窯の中の空間温度を指します。 それに対して物体温度とは被塗装物の素材自体の温度を指します。 どちらでも同じに感じるかもしれませんが、かなり大きな違いがあるんです。

例えば厚さ1ミリほどの薄い鉄板を180度の窯の中に入れた場合、5分もすれば鉄板の表面温度も180度近くに到達します。 これが厚さ20ミリほどの鉄板になると5分経過時で100度にも達しません。 表面温度を180度までもって行こうとすると最低でも20分くらいかかります。 
またアルミ、ステンレス、鉄、など素材によっても到達時間は異なります。 またその商品の質量によっても異なります。 大きなアルミホイールを2つほど窯に入れた場合と手のひらサイズの物では窯の温度上昇に大きな差が生まれます。 大人がお風呂に入るのと子供が入るのでは大人が入った方が湯の温度下がりやすいのは想像できるとことでしょう。 

例えば塗料メーカーの乾燥条件が180度で15分だったとします。 厚さ20ミリの金属板を塗装後に180度の窯の中へ商品を投入し、15分待った時点で”乾燥完了!”と思ってしまうと大問題です。 見た目には完成しているように思えますが、いわゆる生焼け状態です。 生焼けの塗装面は強度的には本来の性能の半分以下と思ってもいいかもしれません。 

ここに我々で実験したものがありますので参考までにご覧ください。 これは厚さ20ミリ程度のステンレス板です。 パウダー塗装を施した後にメーカー条件の180度で15分乾燥したものと30分乾燥したものです。 一晩経って固いもので表面を軽くコンコン叩いてみるとその強度は歴然です。 生焼けの物は簡単にパリパリと剥がれてきます。 (下地処理や塗膜などの条件は同じにしてあります) 完全硬化したものの方は傷は付きますが、剥がれはありません。

こちらはスチール(鉄)の板です。 これも約20ミリで上記と同じ条件で実験してみました。
結果はご覧の通りです。 明らかでしょ。

ちなみに質量の少ない薄い鉄板で同じ実験をしてみるとその差はあまり現れません。 と言う事は被塗装物によって乾燥条件を変えないと乾燥後のクオリティーに大きな差がでると言うことになります。

あまり複雑に考え過ぎると分からなくなってしまいますが、基本的にメーカーの推奨している条件(温度、時間)よりも少しずつ多めに考えた方が安全だという事になります。 
あまり極端な事はできませんが、思っている以上にメーカーの条件を満たせれていないという事だけは理解しておきたいですね。